1月号 2022年の反撃 全訂版の発売開始
これまで指定取り消し処分をうけた事業者から依頼を受けて,処分取消訴訟をおこなってきました。 一昨年,残念ながら最高裁で2件敗訴しましたが,振り返ってみると,行政調査のときから真摯に争うことが肝心だと思います。
これまで指定取り消し処分をうけた事業者から依頼を受けて,処分取消訴訟をおこなってきました。 一昨年,残念ながら最高裁で2件敗訴しましたが,振り返ってみると,行政調査のときから真摯に争うことが肝心だと思います。
1 行政処分や指導を受けるか、受けないか。それは調査の段階がとても重要です。なぜなら、実地指導や監査というのは,行政が行う情報収集活動で,行政処分や指導をおこなうには,この情報収集が欠かせないからです。しかし,多くの方がご存じないように,その段階で将来の処分の有無・内容はほぼ決められてしまいます。
1 公的機関が,徴収や処分をする情報を収集するため民間人に調査をする例としては,主に税務調査があります。この税務調査と介護の行政調査は主体や目的などは,確かに違うのですが,調査の仕方は似ています。
1 介護保険法が施行されて21年になる。介護保険法の課題の一つに行政調査がある。
設例①乙市は,指定地域密着型通所事業所(甲)に,介護保険法23条に基づき,実地指導をおこなう際,必要な帳簿書類を指導の日の2週間前に事前提出すること,仮に,提出しないときは介護保険法78条の10の規定により指定取消処分の行政処分をすると告知した。
高齢者介護施設では、高齢者の利用者を自宅からデイサービスまで送迎することがあります。送迎は自動車でしますが、近年、送迎中の事故が多発しています。
当事務所は、すでに顧問弁護士がいらっしゃる介護事業所さんからも多くの相談があります。介護事業所の労務管理、事故のトラブル等は詳しくても、「行政対応や取消処分などについては対応できません」と言われる弁護士がいるからです。
1 救済の手引き 指定事業者から行政対応に関する相談があった場合,必ず確認することは,現在どういう状況にあるかです。実地指導から,監査に進んでいるのか,監査はどの程度進んでいるのか,聴聞通知の有無・内容など,どのような段階にあるのか。さらに,行政が何を問題としているのか。問題とするのは人員配置か,運営方法か,不正請求なのか,それがわからないと対応が困難です。
先日,1月26日の10時から長崎県庁にて聴聞代理人として出頭。行政庁は長崎県県知事,補助機関は監査指導課。予定の不利益処分は児童福祉法の放課後等デイサービス指定取消処分だ。これは重い。
介護保険法が施行されて20年がたつ。介護サービス費の返還を巡る紛争が増えている(返還問題)。